日記

今日はパスポートの申請書類をもらいにいった。

祖母の名前の漢字を探すのに母親の財布の中をみた。しかし手がかりはなかった。

母親の最後の一週間のレシートが残っていた。

近くのスーパーで買った、40%引きのコッペパンとか、コンビニのたまごパンとか。

母親はこれが最後の一週間の食事だと思って買っていたのだろうか。

 

昨日父親に会い、もう一年がたったことを話した。

去年よりずっとうまくやっていると言われた。

去年は留年の恐怖、今年は母親の死。

母親の死の方が留年の恐怖よりはマシだったということか。

まあ去年はかなり追い詰められていた。

母親とまだ住んでいたから、毎日が恐ろしかった。

毎日母親になじられる。

母親の部屋を通らないと自分の部屋に行けない。

オーバードースもした。

母親に「死ね」と言われながら救急車で運ばれた。

「これじゃ頭も洗えないじゃない!」ってものすごい剣幕で怒っていた。

私が死ぬよりもあんたの風呂が大事かよ。

あれほど死にたいと思ったことはあまりない。

そんな母親も死んだ。

死んでもすっきりしない。

なぜなら母親は罪を償っていないからだ。

私をいかに痛めつけたか。

頼んでもいないことをしては感謝しろと恩着せがましく。

母親が地獄で罪滅ぼしをしていることを願う。

もし生まれ変わりがあるのなら家畜になって恐怖の中で一番苦痛の多い最期を迎えればいいと思う。

コンビニのサンドイッチの具にでもなって廃棄されればいいと思う。

母親は死に、私は生きている。

私はずっと自分が先に死ぬものだと思っていたのだ。

しかし天は母親を苦しめていたのだ。

お前は自分のたった一人の娘をこれほどまでに虐待し、奪える限りの全てを奪った。

父親や受けるはずだった愛情。

「お前には無理だ」と自信を無くさせた。

小さい頃は友人を奪った。

常に中卒で働け、高卒で働けと脅し。

わけもなく怒鳴り散らした。

そのくせに優しくしろという。

そんな都合のいいことがまかり通るか。

私が他に頼れる大人がいないことをいいことに、こんな不条理を通そうとして。

正義は見ている。神は見ている。

わからなかったのかね、因果応報ということが。

お前は深い人間関係を作ろうとしなかった。

助けを求める人もいない。

お前はクリアするべきミッションを無視し続けた。

お前の苦しみはその報いだ。

お前は死ぬ前から地獄に生きていたのだ。

私の苦しみは、母親が地獄へと私を引き摺り下ろそうとしていたことにあった。

その母親がいなくなった今、自分の精神が安定したことは偶然ではない。

今でも母の手の跡が残っている。

母親から受けた傷が残っている。

今の苦しみはそのためだ。

母親は最初からいない方がよかったのだ。

母親は神の言う所の雑草だったのだ。

私は麦だ。

私から養分を横取りする、それが母親だったのだ。

私はやっと安堵する。

母親が戻ってくることはない。

あとは母親に受けた傷を療養することに専念するべきだ。

傷が癒えたら、私は安心して暮らせるようになるのかもしれない。

母親は雑草のまま死んだ。

私の生涯の中で、母親は一度たりとも、私の必要としている母親でいてくれることはなかった。

それは誠に残念なことだが、私にとって必要な存在でなかった以上、いなくなって実害はない。

むしろこれ以上傷を受けずに済むことを喜ぶべきなのかもしれない。

神よ、私は母親というレベルをクリアしたのか。

それとも私が母親になる日まで罪滅ぼしはならぬか。