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今日は大学でのイベントに先生に呼ばれ参加した。
英語でやるイベントで海外の大学生が十数人参加。
私は先生に「英語でなんかコメントしておいてくれ」と頼まれたので「わかりました」と言った。
内容は映画上映だったけどかなりの政治的な問題作。
私は上映中必死にノートをとって思いついた疑問点を考えた。
そして質疑応答タイム。
他の学生はこんなトピックに関してなのにもかかわらず鋭い質問はなし。
私が質問すると、「素晴らしい質問」と言われた。
会が終わったあとにもうちの大学の先生や海外の大学の先生に「いい質問だったね」「聞いてくれてありがとう」「あの中で一番いい質問だった」と褒められた。
たかが質問をちょっと聞いて回答者と会話しただけでこんなに先生に褒められるとは思ってなかった。
とても嬉しかった。
昼抜きでのぞんだかいがあった。
そんなに質問聞きたいならなんで先生が質問しないんだと思ったけど、あれは多分ショーだったんだと思う。
学生の質を他大学に示すショー。
うちの大学で質問をした学生は私だけだった。
うちの大学の他の学生は黙ってたから、多分他の学生も私と同レベルで英語ができたり、考えることができるというサンプリング効果になったんだと思う。
私はつかの間の広告塔になった。
私の素晴らしい英語運用能力と思考能力で会場の先生たちがみんな私に感心した。
他の大学の先生にも褒められた。
思考能力は確かにうちの大学で高められたかもしれないけど英語運用能力は大学で決して良くなってないから私を大学対抗プロパガンダに使われるのはちょっと不本意。
でもよかった。
そのあと先生たちと飲みに連れて行ってもらったが、緊張した。
私はまだまだ子供扱いなのかもと思った。
確かに学部生だもんね。
他の先生は私が生まれる前から学生やってたりするんだ。
あと新人先生の奥さんもきていた。
新人先生の奥さんも先生。
美人だった。
はっきり言って私とは正反対のタイプ。細くて正統派美人。
新人先生はなんで私のこと気に入ってくれるんだろうと思ったけど、もしかしたらいつも美人といるもんだから変わり種が恋しくなるのかも。
それかもしくは本当に私の才能を評価しているか。
先生は奥さんにも私の話をしていたらしい。
もしかしたら先生はやっぱり私のことをそういう目で見ていたわけじゃないのかも。
純粋に学生として優秀だから?
自分では今までそう思えなかったが、今日の多くの初対面の先生の反応を見て、もしかしたら私は胸で先生たちを洗脳していたわけではなく、本当に優秀なのかもしれないと思った。
先生の奥さんはスタイルが見えない服装だったけど、細かった。
私は細く見えるにはピッチピチの着ないといけないから、まずスタイルがネックになっている。
でもダイエットは順調。
二日で2キロぐらい落ちた。
この調子であと2、3キロ落ちればいいと思う。
考えてみたら本当に胸が大きいだけで学業的に評価してくれるならもっと女性の研究者がいてもおかしくないはず。
私が被害妄想してただけなのかな。
広告塔として利用された可能性はあるとはいえ、たくさんの人が私に「ありがとう」「よくやった」と言ってくれたのはやっぱり嬉しかった。
不思議と新人先生の奥さんには嫉妬しなかった。
あまりにも綺麗で頭が良くて嫉妬心は起きなかった。
むしろ新人先生は三枚目なくせによくこんな上物と結婚できたなと思った。
私はやっぱり見た目で人を判断するんだな。
よくないことだけど、でも美人は無条件に何してもよく見えるんだ。
それは仕方ないこと。
美人って美人キャラがついてるよね。
何しても美人キャラ。
私はメイクしてきれいなうちに入ったかもしれないけど正統派じゃない。
うまく言えないけど、結局キャラの問題かも。
私も美人キャラを必死に演じてればなれるのか?
いや、自分を正統派の美人だと思わないとできない芸当だと思う。
私は良くも悪くもオルタナティブ。
顔が良くないからスタイルで補う。メイクで補う。
わかった。私は性格が良くないんだ。
美人は性格がいいからなおさら行動がよく見える。
私は性格が悪いからたとえ見た目が良くても、行動に出るし口に出る。
性格が悪いというよりてやんでぇ気質・江戸っ子なのかも。
よく言えばおてんば。悪く言えば残念なタイプ。
でも私は結婚できなくても構わないし。
メイクをおぼえて「きれいな顔」に生まれ変わってからまだ五ヶ月ぐらいしか経ってないし。
あらゆることは努力で習得できるっていうのが私の哲学。
「美人としての振る舞い方」も必要が生じれば絶対に習得できる。
私の「優秀な生徒」としての振る舞い方だって最初からあったわけじゃない。
私が無意識的に習得したもの。
でも今日は頭ひねって考えたけど、すごく的を得た質問ができたってこと。
広告塔に足ることができたってこと。
私は常に他の学生の手本となるような勉強ぶりを心がけているけど、それがやっと周りの人にわかってもらえた。
私は自分の大学を代表するまさしく「お手本」になれたということ。
私にとっては他の学生の「お手本」になる方が「美人」になることよりも大事。
なんでこんな発想に至ったのか、自分でもよくわからない。
ただ、高校とは違う大学という環境で最初は落ちこぼれだったもののだんだんいい成績を取れるようになったことが嬉しかった。
自分の被害妄想に基づいた用意周到さと締め切り遵守意識が評価されるのが嬉しかった。
それと同時に努力をしない他の学生を見下すようになった。
危険な思想。
「美人」になりたいとは今まであまり考えていなかった。
2月にメイクを始めたのも、「美しくない」という負い目を埋めるためだった。
やっぱり美しくないのは自覚していて、それを負い目に感じていた。
だからメイクで形だけでも見れる顔になれたことはとても嬉しかった。
でも美人って表情と行動と口調が大半だから、どれも不器用な私にとっては難しい。
美人って難しいな。
でも、私はおとなしい「美人像」になりたくない気もしているんだ。
本当に美人になりたかったらなってるはず。
そうか、性格を見て欲しかったんだね。
結局性格を見て欲しいし中身を見て欲しいんだけど自信がないからスタイルをだす。
その結果自分には才能がなくスタイルがいいだけだと信じ込むようになる。
うーん。
とりあえず、自分には才能があると信じる。
今日の芸当も私が計画してやったわけじゃなく限られた時間の中でのひらめきだったわけだし。
必要な時に出てきて私のために働いてくれる才能がある。
飛行石みたいな。
飛行石を信じる。
とりあえず論文の序論をまた書き直そう。
lot of work ahead.
それにしても新人先生の食事のマナーの悪さには閉口した。
だってドリンクを使った箸の一本で混ぜてしかもその箸を舐めた。
最悪。
韓国人と結婚するとこんなにマナー悪くなるのかな。
いや、Sはもともとだろう。
お坊っちゃんの割にマナー悪いんだな。
しつけがなってない。